2016年9月11日日曜日

コンサート報告 (フェザーストン 9/10)

アンザックホールでのコンサートは特別である。
大戦中は野戦病院としても使われたホールは、今年創立100周年を迎えた。
備えられているグランドピアノは、町からの依頼に応じた升本先生、湯山先生が選び、日本から送ったものである。
まさに多くの想いの結晶ともいうべきコンサートだった。

CFの訪問をきっかけとして誕生した地元の男声合唱団、ジェントルマン・シンガーズがコンサートのオープニングを飾った。
一人一人が歌うことを心底楽しんでいることが伝わってきて、とても微笑ましい演奏だった。
CFのステージのはじめに団長の富樫が謝辞を述べると、会場はあたたかい拍手に包まれた。
演奏はシューベルトに始まり、日本の歌4曲が続いた。
1曲目の”Wandershaft”で会場は笑顔に包まれ、よく知られている”Die Forelle(鱒)”で最高潮に達した。
言葉はわからなくても込められた想いは伝わったようで、日本の歌も一曲ごとに大き反応があった。
特に「故郷」では、涙ぐむ聴衆の姿も見られた。
湯山先生のピアノステージも大喝采に終わった。
YAMAHA CL5も、2年ぶりの再会を喜ぶかのように、軽やか、かつ豊かな響きを聴かせてくれたように感じたのは気のせいだったろうか。

最終セットは讃美歌3曲で始まった。よく知られており、一緒に口ずさむ方も多かった。
軽快に弾むようなカナダ民謡“Les Raftsmen”、情熱的なスペイン歌曲”Cielo Azul”はここでも大好評。
イギリスの歌“Annie Laurie”、”Greensleeves”も十分に満足してもらえたようだ。
終曲の”How Great Thou Art”は誰もが知っている歌だが、マオリ語になった途端に驚き、喜びが増したような空気に包まれた。
満場のスタンディングオベイションに応えてのアンコールは、”Auld Lang Syne”。
再会を喜び、永遠の友情を誓うこの歌は、まさに私達の想いを象徴する歌だった。
最後にジェントルマン・シンガーズのメンバーと一緒に歌った”Now is the Hour”。
文化的背景も年齢も身長も全く違う二つの合唱団が一つになった時間だった。(斎藤)

0 コメント:

コメントを投稿